少しパワーを

読売新聞での宮本輝の連載が先日終了して、
その連載終了の挨拶文が掲載されていた。

…人間は眼に見えないものに取り囲まれて生きている。
災厄に直面したときにそれが長い時間をかけて変化していく。
それを「発酵」という時間をかけなければ実現しないもので表現した。
私たちは災厄から早急に抜け出そうとして心を病んでいく。
私は自省を込めてこの小説を連載させていただいた。

まあ、こんな感じの文章だった。宮本輝は、
『「人生はどこかで必ず帳尻が合う」式の暢気な人生観とは別のところにある不思議な方程式』
と表現されている。
暢気な人生観をのうのうと垂れる輩が多い。
勿論その論拠まで否定する権利は僕には無いけれど、
少なくとも僕は暢気にはなれない。

母親が死んだ事は災厄だと思っている。
けれどそれによって家族や友達の欠けがえの無さを知った気がする。
それで過剰な心配症から心の病気になった。
そして今は、人間関係が辛くなってしまっている。
…そういう風に振り返ればこれからも発酵していくのかも知れない。

「災厄という大きな悲しみが、5年後、10年後、20年後に、
思いもよらない幸福や人間的成長や福徳へと転換されていったとき、
私たちは過去の不幸の意味について深く思いを傾けるであろう。」
…この言葉で少し今の自分が救われるような気がした。

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